
普段何気なく利用しているカフェですが、テレビCMなどで積極的に広告展開しているイメージはあまりないですよね。にもかかわらず、多くの人気カフェチェーンは確固たるブランド認知を獲得し、私たちの日々の生活に深く浸透しています。今回は、そんな人気カフェチェーンが、どのようなプロモーション戦略を展開してブランド認知度を高めているのか、その秘密に迫ってみたいと思います。
今回はプロモーションの中でも以下について調べました。
・CM
・コラボ企画
・体験型イベント
・地域貢献活動
CM
一般的にカフェチェーンのテレビCMは、他の業界と比べて露出が少ない印象を受けます。しかし、実は一部のチェーンでは、ブランド認知や特定商品のプロモーションとしてCMを活用した事例があります。
実際、スタバやドトールは過去にCMをやったことがあるようです。コメダ珈琲も地方で放映していたことがあったようですね。
タリーズはカフェの宣伝ではありませんが、ペットボトルや缶の新商品が出た際、商品認知のためCMを放映しています。
カフェのCMが少ない背景には、単純に客単価が低いので制作費が高額なTVCMは費用対効果が見合わないことが挙げられるでしょう。カフェは地域密着型のビジネスモデルであるため、地域に根ざした店舗での体験や口コミによる認知拡大の方が、より効率的な戦略となり得るのです。
コラボレーション
異業種や人気コンテンツとのコラボレーションは、新たな顧客層へのリーチ、既存ファンの活性化、そしてブランドイメージの刷新に貢献する重要な戦略です。各カフェチェーンは、独自の視点とターゲット層に基づき、多様なパートナーとの提携を展開しています。
スターバックス
スターバックスは国によって異なる戦略を採用しており、グローバルな視点でのコラボレーションが特徴的です。過去には、世界的な人気キャラクターである「ピーナッツ(スヌーピー)」や、機能性とデザイン性に優れた「スタンレー」、幅広い世代に愛される「ディズニー」といったブランドとのコラボレーションを通じて、多様な層へのアプローチを試みています。
タリーズ
タリーズは定番化しているコラボレーション先を持つ点が特徴的です。「トムとジェリー」や「ハリーポッター」といった人気コンテンツに加え、日本の伝統的なデザインを取り入れた「かまわぬ鳥獣戯画」、幅広い世代に親しまれる「ルーニー・テューンズ」との継続的なコラボレーションは、特定のファン層のロイヤルティを高め、ブランドの親しみやすさを醸成しています。
コメダ珈琲店
コメダ珈琲店は、幅広い層に人気のキャラクターとのコラボレーションを積極的に展開しています。「ポケモン」をはじめ、「おぱんちゅうさぎ」や「ちいかわ」、「すみっコぐらし」といった人気キャラクターとの提携は、ファミリー層や若年層への訴求力を高めます。また、「森永製菓」や「ガーナ」といった菓子メーカーとのコラボレーションは、既存メニューとの親和性も高く、新たな顧客体験を提供しています。
猿田彦珈琲
監修という形でコラボレーションに関わることの多い猿田彦珈琲は、「首都高」や「ミニオンズ」、コンビニエンスストアの「ローソン」、アパレルブランドの「スーツセレクト」など、意外性のあるパートナーとの提携を通じて、ブランドの認知度向上と新たな顧客層の開拓を図っています。専門的な知識や技術力を活かした監修は、提携先のブランド価値向上にも貢献します。
ドトール
ドトールコーヒーは、「サンリオ」の人気キャラクター(クロミ、ポムポムプリンなど)との単独コラボレーションを定期的に実施しており、特定のファン層からの支持を得ています。その他、「moz sweden」といったライフスタイルブランドや、「呪術廻戦」といった人気アニメ、「チェブラーシカ」といった愛らしいキャラクターとのコラボレーションも展開し、幅広い層へのアプローチを試みています。
サンマルクカフェ
サンマルクカフェは、看板商品であるチョコクロとお菓子のコラボレーションを多く展開しており、「アポロ」や「サクマ製菓」、「ブラックサンダー」、「信玄餅」といった人気商品との組み合わせは、新たな味の発見や購買意欲の喚起に繋がります。また、「ぐでたま」といった人気キャラクターや、映画「女神後輪」「シン・ウルトラマン」とのコラボキャンペーンなど、幅広い層への訴求と話題性創出を意識したコラボレーションも展開しています。
体験型イベント
消費者に直接的なブランド体験を提供する体験型イベントは、深い印象を与え、ブランドへの愛着を育む上で有効な手段です。
コメダ珈琲店の「シロノワール作り体験」は、同店の看板メニューであるシロノワールを消費者が自ら作ることで、製品への親近感を高め、特別な思い出を共有する機会を提供しています。このような体験は、参加者の記憶に長く残り、SNS等での情報発信を促す効果も期待できます。
同様に、サンマルクカフェの「チョコクロ体験会」も、主力商品であるチョコクロの製造プロセスを体験してもらうことで、製品への興味関心を喚起し、ブランド体験を通じてファン化を促進する狙いがあると考えられます。
スターバックスやタリーズコーヒーが実施する「コーヒーセミナー」や「コーヒースクール」は、コーヒーに関する知識や技術を習得する機会を提供することで、参加者のコーヒーへの関心を深めるとともに、各社のコーヒーに対するこだわりや専門性を伝える役割を果たしています。
これらの体験型イベントは、単なる製品紹介に留まらず、ブランドの世界観や価値観を消費者に直接的に伝える貴重な機会となっていると言えるでしょう。
地域貢献活動
カフェのような地域に根差した店舗ビジネスにとって、地域社会との良好な関係を築くことは、直接的なプロモーションとは異なるものの、長期的なブランドイメージの向上と顧客ロイヤルティの獲得に不可欠です。
多くのカフェチェーンが、地域清掃への参加や地域イベントへの協賛など、様々な形で地域貢献活動に取り組んでいます。
例えばタリーズコーヒーでは、地域との連携を深める取り組みとして、日比谷シャンテ店において隣接する島根県のアンテナショップとコラボレーションし、県産品を活用した限定ドリンクの販売や、特産品を店内に展示するなど、地域文化の発信に貢献しています。
このように地域との繋がりを大切にする姿勢は、地域住民からの共感や信頼を得やすく、日々の利用に繋がるだけでなく、長期的な視点でのブランドの安定に貢献すると言えるでしょう。
まとめ:多様な戦略でブランド認知を確立する人気カフェチェーン
人気カフェチェーンは、テレビCMのような大規模な広告展開に頼るだけでなく、コラボレーションによる話題性の創出、体験型イベントによる深いブランド体験の提供、そして地域貢献活動による地域社会との信頼関係構築といった、多岐にわたるプロモーション戦略を組み合わせることで、強力なブランド認知度を確立しています。
それぞれのチェーンが持つ強みやターゲット層に合わせて、最適な戦略を展開することで、私たちは日々の生活の中で、様々な魅力的なカフェとの出会いを体験しているのです。今後も、各カフェチェーンがどのような新たな戦略で私たちを楽しませてくれるのか、注目していきたいと思います。