―“等身大の運用”が長期的に強いブランドを育てる―
Instagramでフォロワーを伸ばし続け、多くの共感と支持を集めているまあちさん。華やかな投稿の裏側には、「役に立つ」「真似できる」「人柄が伝わる」といった、視聴者目線に立った緻密な設計があります。本記事では、暮らし・片付けジャンルで24万人に支持されるアカウント運用の考え方を紐解きながら、企業のInstagram担当者の視点で「明日から実践できる示唆」を抽出していきます。
1. 「伸び悩み=アルゴリズムのせい」にしない
フォロワーが増えていく過程で、まあちさんにも当然「伸びない時期」がありました。
そのとき最初に疑ったのは、
「アルゴリズム」ではなく 自分のコンテンツの中身。
「コンテンツが本当におもしろければ伸びるし、おもしろくなければ伸びない」
外部要因を理由にするのではなく、ユーザー目線で「保存したいかどうか」を軸に内省した点が特徴的です。
2. テーマ選びは「自分も日々向き合うもの」

まあちさんが今の「暮らし・片付け」テーマに舵を切ったきっかけは、
– 投稿した片付け系コンテンツへの大きな反響
– 自分自身もずっと向き合っていけるテーマであること
でした。
「暮らしや片付けは日々の生活とずっと一緒にある。
アカウントが育つことは、自分の暮らしも育つこと。」
このように、自分のリアルな生活と連動するテーマだからこそ継続できる。
3. 一目で伝わる「世界観」とプロフィール設計

世界観の作り方
– すっきりしたインテリア
– 生活感のあるリアルさ
– 清潔感と落ち着き
これらがフィード全体から伝わり、ホーム画面を見ただけでどんな発信者か分かるよう設計されています。
さらに、比較的早い段階から、
– 1枚目にタイトル文字を入れる
– 投稿内容がひと目で伝わる
という“文字入りサムネ”を取り入れたことが、視認性と保存率の向上につながりました。
プロフィール文は「自分の紹介」より「フォローするメリット」
「この人をフォローしたら、この自分にどんなメリットがあるのか?」
という視点で書かれており、
– 自己アピールではなくユーザーにとっての価値
を最短で提示しています。
4. 差別化の鍵は「音声」と“人感”
まあちさんは、アフレコ入り投稿が多いタイプ。
その理由は、
– 声で一気に“人感”が伝わる
– 似た映像が増える中で差別化になる
– 「ちゃんとここに人がいる」と感じてもらえる
から。関西弁の自然な語りも、親近感・信頼感を生んでいます。
5. ネタ切れしない投稿設計と「保存される」工夫

過去のヒットを“時差アレンジ”
– 過去に伸びた投稿を半年後やタイミングを変えて「今はこうしている」形で再投稿
「一度当たった投稿は、形を変えればもう一度当たることが多い」
という考え方が、とても合理的です。
「面白い」=ファニーではなく「有用」
– 役に立つ
– 見返したくなる
– 自分の日常に取り入れられそう
という “Interesting=保存される” 投稿を重視。
特に、
– 100円ショップの商品紹介
– 身近な暮らしの導線改善アイデア
など、手が届く情報が支持されています。
6. コメント・DM対応でコミュニティを作る
– コメントには基本的に返信
– よくある質問はストーリーズで全体回答
– 1対1のやりとりを、1対多のコンテンツへ展開
「1人が気になっていることは、他の人も知りたい可能性がある」
コミュニティ運営者として、とても理にかなった対応です。
7. ライブ配信で「人柄」が伝わり、仕事につながる
書籍発売に合わせたカウントダウンライブは、
– 人柄が分かったので本を買いました
– 応援したくなりました
という声を生みました。
8. SNSから広がった活動
Instagram発信を続けた結果、
– 書籍出版
– Voicyでの有料配信
– オリジナル商品企画
– PR案件
– オンラインレッスン
など、活動が拡張。
特に、フォロワー1万人を超えたあたりからPR案件が増えたというデータは非常に示唆的です。
9. SNS運用で一番大切なことは「等身大」
最後に、まあちさんが語った運用哲学。
「背伸びもへりくだりもせず、嘘をつかないで自分らしく。
そのほうが続けられるし、人にも信頼される。」
さらに、
– アカウントはすぐには伸びない
– バズに期待しすぎない
– 楽しみながら淡々と続ける
という考え方は、長期的に強いアカウント運用の根幹です。
▼まとめ
企業Instagram担当者が明日から改善できるポイント
チェックリスト:
– 伸び悩み理由を“コンテンツの質”から検証しているか
– サムネとプロフィールで“ユーザーのメリット”が示されているか
– 投稿に“人感(声・人格)”があるか
– 保存される設計になっているか
– コメント・質問を投稿のネタに昇華しているか
– 双方向コミュニケーションを取り入れているか