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未分類 2025.05.14

人気カフェチェーンのSNS活用術!Instagram・TikTokを徹底分析

人気カフェチェーンのSNS活用術!Instagram・TikTokを徹底分析

近年、SNSはカフェ業界における重要なプロモーションツールとして定着しつつあります。特にカフェチェーンでは、ブランドイメージの発信や来店動機の創出にSNSが大きな役割を果たしています。

前回、カフェのプロモーション施策についての記事を書きましたが、今回はそのスピンオフとして「各チェーンがどんなSNS運用をしているのか?」をテーマに、InstagramやTikTok、さらにはX(旧Twitter)やYouTube、LINEなど、日本国内向けアカウントに絞って調査してみました。

SNS活用に注力しているブランドもあれば、意外にも控えめな発信にとどまっているところも見受けられます。この記事では、媒体ごとの傾向や特徴を踏まえつつ、特に印象的だった取り組みを中心にご紹介します。SNS運用について興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

各カフェチェーンのSNSフォロワー数比較

 

主要カフェチェーンのSNSフォロワー数を比較してみると、スターバックスが各プラットフォームで圧倒的な存在感を放っているのがわかります。InstagramやX(旧Twitter)、LINEといった主要チャネルにおいて特に多くのフォロワーを抱えており、ブランド力と発信力の強さが数字にも表れています。

一方で、コメダ珈琲店のTikTok運用のように、特定の媒体で独自に存在感を高めている例もあり、各社のSNS戦略が画一的でないことが興味深いポイントです。

また、FacebookやYouTubeといった比較的“従来型”の媒体は、全体的にフォロワー数が控えめであり、SNS活用の中心がInstagramやTikTokといった視覚的・エンタメ性の高いチャネルへと移行している傾向も見えてきます。

この表を踏まえ、次からは各社がどのようなSNS活用を行っているのか、媒体ごとに詳しく見ていきます。

Instagram

ブルーボトルコーヒー

投稿内容は洗練された商品写真が中心で、全体的に静けさと美しさを感じさせるトーンが保たれています。リールでは、スタッフが登場するASMR風動画や、バリスタ個人を紹介するシリーズも展開しており、視覚と聴覚の両面でブランド体験を深める工夫が見られます。

投稿全体に統一感があり、ブランドの「美意識」と「職人性」を伝える設計がなされています。Instagramを“ビジュアルで世界観を伝える場”として重視している様子が伺え、他媒体との差別化が明確です。

スターバックス

新作紹介がメインで、リールではアレンジレシピやカスタマイズ方法など、商品理解を促すプロモーション動画が目立ちます。

Instagramは販売促進の一環として活用されており、広告素材の再利用が中心のため、Instagramに特化した演出は控えめです。とはいえ、ブランドの一貫性と高い完成度が維持されており、安定感ある運用がなされています。

 

コメダ珈琲店

カラフルで親しみやすいビジュアルとともに、ユーザー参加型の投稿が特徴です。「思わず笑顔になってしまうメニューを教えて」など、コメントを促す問いかけが多く、リールでは「staffvoice」やクイズ企画、ライブアーカイブなど多様な試みが見られます。

コメダはユーザー参加型の運用が非常に上手です。リアル店舗の居心地の良さや人懐っこいブランドの空気感を、デジタルでも表現する努力が見られ、フォロワーとの距離感が近いのが強みです。

猿田彦珈琲

投稿やリールには、スタッフやイベント、店舗の様子など“人”を中心とした内容が多く、商品そのものよりもブランドの空気感を大切にしている印象です。

コミュニティ性を大切にしているブランドらしく、Instagramでも人の温かさや誠実さを伝える運用になっています。数値的なバズよりも、共感や信頼を醸成する方向性を狙っていると感じます。

ドトールコーヒー

ユーザー視点の自然な写真が多く、カジュアルで身近な雰囲気の投稿が目立ちます。リールでは、商品紹介やプロモーション目的の公式感ある動画が主流で、手軽さと安心感が同居した構成です。

SNSではあえて気取らず、日常的な“身近な存在”としてのポジションを保とうとしている印象。情報発信のトーンが軽やかで、堅すぎず緩すぎず、絶妙なバランスを取っています。

サンマルクカフェ

フェアごとに投稿の色味や雰囲気がガラリと変わるのが特徴で、見た目の新鮮さが常にあるアカウントです。

個々のキャンペーンに強くフォーカスしており、“今”のお得感や旬の情報を視覚的に伝えるスタイル。ブランドの統一感より、期間限定商品の打ち出しを優先した実用的な運用です。

 

TikTok

スターバックス

スターバックスの公式TikTokアカウントは、基本的にInstagramで使用している素材を流用した運用が中心です。ただし、TikTokユーザーに親しみやすい構成の動画も一部投稿されており、ブランドの統一感を保ちながらも、若年層に響くようなトレンド要素を取り入れています。全体としては堅すぎず、プラットフォームに合わせた柔軟な工夫が感じられる運用スタイルです。

コメダ珈琲店

TikTok公式アカウントを持たないカフェチェーンが多い中、コメダ珈琲店は積極的なTikTok運用を行っています。​TikTok専用に制作された動画では、メニュー紹介やユーザーのコメントを促すような構成で、プラットフォームに適したコンテンツを提供しています。​その結果、スターバックスよりも多くのフォロワー数を獲得しており、若年層へのリーチに成功しています。

Facebook

現在、国内のカフェチェーンによるFacebookの活用はかなり限定的な印象です。アカウント自体は存在しているものの、更新が止まっているケースも目立ちました。
たとえばドトールやスターバックスは、以前はFacebookでの発信をしていたようですが、最近の投稿は見られない状態です。
これは、国内におけるFacebookユーザーの高齢化や利用頻度の低下が影響していると思われます。
企業アカウントとしてFacebookを活発に活用する必然性が、いまの日本のカフェ業界ではあまり高くないのかもしれません。

X(旧Twitter)

Xは今も一部のチェーンがキャンペーン告知やフォロワー参加型の投稿を行う場として使っているようです。
たとえばコメダ珈琲店は、期間限定メニューの紹介やプレゼントキャンペーンの告知をしており、ユーザーとのやりとりもそれなりにあります。
ただし、投稿の頻度はInstagramよりも低めで、メインの発信媒体としてはあまり重視されていない印象です。
企業としての存在を示しつつ、キャンペーンを流す“サブの広報媒体”という位置づけに近いかもしれません。

LINE

LINE公式アカウントは多くのカフェチェーンが持っていますが、その中身はクーポン配信が中心で、SNS的な「情報発信」よりも「販促ツール」としての利用が目立ちます。
ユーザーにとっては“お得なお知らせが届く場所”という認識が強く、ブランドの世界観を伝える場というよりは、実用性・経済性重視のチャンネルになっている感じです。
(余談ですが、コメダ珈琲店やドトール、スターバックスなどはLINEスタンプを出していたりして、ちょっとした遊び心も見られます!)

YouTube

スターバックスやブルーボトルなどが公式チャンネルを持っているものの、YouTube専用に継続的な動画発信をしているカフェチェーンはほとんどない印象です。
過去にCMや店舗紹介動画を載せているところはあっても、「YouTubeを軸にしたファンコミュニティづくり」や「YouTuber的な動画投稿」は見られませんでした
とはいえ、バリスタ紹介や店舗ツアーなど、動画で魅力を伝えるポテンシャルはあるはずなので、ここはまだ開拓の余地がある分野かも…?

 

まとめ

カフェチェーンのSNS戦略を見ていくと、単に商品の告知をするだけでなく、「ブランドの世界観をどう見せるか」「どうファンとつながるか」という視点が、より重要になってきていると感じました。

ビジュアルが命のInstagram、親しみやすさが求められるTikTok、実用性重視のLINEやX――それぞれのSNSで求められる役割が異なるからこそ、媒体ごとの最適な“見せ方”を追求しているかどうかが、ユーザーの反応を大きく左右しているように思います。

今後もSNSをどう活用するかで、カフェの印象やファンとの距離感は大きく変わってくるはず。どのチェーンが一歩先を行くのか、これからの展開にも注目していきたいところです。